「・・・やっぱり、キラが傍にいないと朝が辛いな・・」



俺が唯一心を許した彼女の前だけ、安心できる。
だが、その彼女と2年前に離れてしまった・・・。
・・・1年前のあの日、母上を喪った時一番考えたのは・・・今傍にいない彼女のこと。
母上のように突然喪わないように、こんな戦争を早く終わらせないと・・・・。
それだけが、今俺を動かしていること。
彼女を早く迎えに行くために、俺は・・・戦う。








記憶のかけら 3











「とまぁ、アスランは見事にイザークの左腕を綺麗に折ったんだ。
・・・だが、ご丁寧にも利き腕とは逆の腕を折ったから日常生活に支障は無かった。
しかも、本人の言葉通り綺麗に折れているもんだから治りが他の奴らよりも早かった」



ディアッカは4年前の出来事を思い出しながらその時のことを話した。
その話をしていた彼自身、顔を蒼白させながら話しているから余計に怖かったのだろう・・・。



「・・・・・・・」

「? どうかなさいましたの? キラ」



ディアッカの言葉に首を傾げたキラにラクスは不思議そうに話しかけた。
そんなラクスの言葉が届いていないのかキラは隣にいるアスランに視線を向けるとポツリと呟いた。



「・・・・アスラン。 もしかしてその時・・・凄く眠かったの?」

「・・・・。 あぁ。 何せ今までにないくらい早い時間帯の訓練だったからな。
起きたのは・・・・5時頃だったか?」



キラの呟きに苦笑いを浮かべながらアスランはサラリと爆弾発言を落とした。



「「!?」」

「あらあら? アスランは朝に弱いんですの?」



アスランの発言にディアッカとイザークは仲良く固まり、ラクスは以外だと言いながらキラに尋ねた。



「うん、弱いよ?
幼年学校に通っていた頃は・・・・7時ぐらいに起きればよかったからアスラン、
早起きだったけど・・・6時以前になると凄く不機嫌だよ?」



キラは首を傾げながらもアスランの寝起きの悪さを証言していた。



「・・・姫、もしかしてアスランの奴・・不機嫌になると足癖が悪くなるのか・・・?」

「? んー・・・僕の前ではそうでもないよ? けど、前同じ学校に通っていた友達が言っていたけど・・・」

「アスラン様、キラ様。 ジョルディさんがお見えですよ?」



ディアッカの疑問に答えている時、今まで下がっていた執事が遠慮がちに声を掛けてきた。
彼からある人物の名前に反応したキラはここに連れてくるよう頼んだ。



「ジョルディ・・か。 まぁ、あいつなら大丈夫だろう」

「僕にこのことを教えてくれたの、ジョルディだから・・・いろいろ知ってるはずだよ?」



アスランは1人納得したように頷き、キラはニッコリと微笑みながら話した。



「お連れいたしました」

「久しぶりだな。 キラ、アスラン! ・・・・? お客人?」



執事と一緒に現れた青年・・・ジョルディ=ニコラスはニコッと人懐っこい笑みを見せた。



「ジョルディ、紹介するね? ここにいる3人は僕たちの大切なお友達だよ」

「初めまして。 ラクス=クラインと申しますわ」

「イザーク=ジュール」

「ディアッカ=エルスマンだ」

「初めまして。 ジョルディ=ニコラスです。 ・・・・ん? あんたら、本国の議員たち?」

「そうだよ、ジョルディ。 ・・そして、この前まで起こっていた戦争の功績者」



それぞれの自己紹介を見守っていたキラはジョルディの発言に微笑みながら答えた。



「あんたなら知っているんだろう? アスランの朝から不機嫌になる理由」

「ん? あぁ・・・。 コイツ、極端に朝が早いと足癖が悪いぜ? 普段はそうでもないみたいだが」

「へぇ? なんか、理由があるのか?」

「あぁ。 ・・・一番の理由は、キラが傍にいないからだ」

「「・・・・・・」」



ディアッカとジョルディは元々が似た属性だったのかすぐさま打ち解けると先ほどから疑問に思っていたことを尋ねた。
ジョルディはそんなディアッカの言葉に頷きながら自身が見てきた彼の行動を話した。



「昔、結構壊していたよな?」

「・・・・あんなところにあるのが悪いんだろうが」

「?? けど・・・僕がいる時は壊したことないよね?」

「キラの近くは落ち着くからね。 イライラしないんだよ」

「ふぅ〜ん?」



ジョルディの発言に不機嫌そうな表情を見せたがキラの言葉に瞬時に反応したアスランは
先ほどまでの不機嫌さをどこに棄てたのかと言いたくなるような早業でキラ専用の笑みを見せた。
その笑みに納得したのかキラもまた、アスランに微笑を見せた。



「・・・な?」

「・・・俺はあいつの不機嫌さのせいで腕を折られたのか・・・?」

「・・・・・・・(お前の場合、あの時に負けを認めなかったのが原因だって・・・・・)」



彼らの様子を見ていた男性陣は呆れた顔をする者や過去を思い出して蒼白する者がいたが
女性陣であるラクスはニッコリと微笑みながら2人の様子を見ていた・・・・。






ラクスは、新しくジョルディのカップにお茶を注ぎながら既に飲み終わっていたカップに新しくお茶を注いだ。



「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

「・・・・まぁ、コイツが蒼白したのはそれだけじゃないんだがな・・・」

「まだ、あったの?」



ニッコリと微笑みながらジョルディに注いだカップを渡したラクスが席に着いたのを見たディアッカは、
苦笑いを浮かべながら新しく注がれた紅茶を口にした。





ディアッカの発言にキラは首を傾げた。



「もう一つあるんだ。 ・・・2年ちょっと前、【オーブ】でちょっとした騒動があっただろう?」

「? AAの整備士さんが数名医務室にお世話になったこと?」

「あぁ。 まぁ、その後強制的に置いていかれたな・・・」

「・・・それをしたのが・・・。 ・・相変わらずだな」



ディアッカの発言に首を傾げながらも思い出したキラの言葉に頷き、
どこか遠くを見つめているディアッカに何を感じ取ったのかジョルディはそれをした犯人に心当たりがあるのか、
キラに分からない程度に隣にいるアスランに視線を向けた。






アスランはジョルディの視線を感じていたのか、元々分かっていたのかさだかではないが、
ジョルディと目が合った瞬間口元だけの笑みを見せた。
その瞬間、一瞬だがジョルディは背筋に悪寒を感じてまだ熱めの紅茶を口にした・・・・。














今回は・・短いです。
ですが、中継ぎですので・・・;
アスランは、不機嫌だったんですねぇ。
しかも、低血圧によっての(酷っ)
次回は、いよいよ本命(?)です!
イザークは骨が折れるだけですが・・・。
彼らはどうでしょう?
友情出演として、急遽幼年学校時代の友人であるジョルディが登場。
キラの傍では不機嫌が改善されるので、本当の意味での怖さは知りません。
それを証明してもらうために幼年学校時代をよく知るジョルディが登場しました。
ご感想、お待ちしておりますv





2006/04/15