「・・・・・・大丈夫ですわ、キラ。 私たちが、貴女を悲しませることを絶対に許しませんもの。
あの方は、まったく解っておりませんわね?
アスランが真に傍にいてほしいと望むのは、キラだけだということを・・・・・・」
キラを悲しませることしか出来ないあの方をここまで野放しにしていたのは、
私たちにも責任がありますわね・・・。
その点は、追々反省することにいたしますわ。
まずは・・・私たちの大切な幼馴染を悲しませる原因を潰しましょう。
尤も、そのような事をしなくとも彼はその計画には乗りませんわよ?
ですが・・・、私たちの気が晴れませんし、
何よりキラのとても綺麗なアメジストの瞳を曇らせる原因ですものね。
―――― 徹底的に、潰させていただきますわ。
Adiantum・外伝
― 一時の休息 2 ―
紅葉の色が深みを増す季節。
彼女たちにとって大切であり、またキラにとって唯一無二の存在の誕生した月がやってきた。
そんなある日、国の重役たちが集まる行政府の一室にて、
金色の髪の少女が目の前にいる体格のいい男性に怒鳴っていた。
「今月は、アスランの誕生日だと!? なぜ、今まで黙っていたんだ?
アイツの彼女である私に言わないでどうする! 今から、アスランの誕生日祝いの準備をしろ。
私の彼氏なんだから、豪勢にしないとな? ・・・その時に、正式に婚約者だといってもいいし。
アイツにとっても、最高のプレゼントになるだろ?
それに、あの幼馴染だといってベタベタするヤツの牽制にもなるだろ。
招待状のほうは、私の方で手配する」
金髪の髪の少女はそう言い切ると自分の言っている事が正論だとばかりに頷いた。
そして、すぐさま招待状を作成させるべく、
部屋からとてもお嬢様育ちとは思えない足音で出て行った・・・・・。
行政府から金髪の少女・・・カガリ=ユラ=アスハが向かったのは、彼女の一族が利用する会社だった。
「私の婚約者の誕生日パーティを開催する。
その際、出席者には招待状を送るため、この人数分のカードを製作しろ」
カガリは社長にアポイントもいれずに直接会うとそのように命令し、その場に留まった。
一方、カガリの命令を受けた社長は、国のトップであるカガリの命令に反論することが出来ないのか、
カガリの言葉通りにパーティの招待状カードを指示された人数分の製作に取り掛かった。
製作から数時間後、漸く人数分のカードが渡されたカガリはそのまま一族の屋敷に向かわず、
アカツキ島にある孤児院に向かった。
一方、孤児院では表向きオーブに連合と同盟を組む動きがあると評議会に通告し、
その牽制のために滞在していることになっているイザークたちは
キラの立てた計画を少しずつだが進めていた。
普段は静かに海を眺めているキラだが、
準備をする時間帯だけは生き生きとした表情や昔からの天使のような微笑を見せていた。
そんな彼らの元に、ひとりの招かれざる客がこの孤児院の主であるマルキオ導師を訪ねてきた。
「ここに我が妹がいることは分かっている。 私が来たことを伝えてくれ」
カガリは一方的にマルキオにそう伝え、汚らわしそうに孤児院を見つめた。
そんなカガリの視線を全盲であるマルキオでも彼女が何を思っているのかを敏感に感じていた・・・・・。
「キラさん、貴女の姉と名乗る方が参られておりますよ」
マルキオから伝えられた言葉に、ピクリと震えたキラは震える手でマルキオに頷いた。
その様子を痛々しそうに見ていたラクスは、近くにいるニコルに視線を向けた。
ラクスの視線の意味を正確に理解したニコルは、真っ黒なオーラをその身に纏いながら頷いた。
「キラさん、僕も一緒に行きますよ」
「ニコル?」
「ちょうど、僕の作業が終わったんです。 ですから、一緒に行きましょう?
来られているのは・・カガリさんですよね? ちゃんと、ご挨拶していなかったので」
ニコルは邪気のない笑みをキラに見せ、そのままキラを連れて玄関に向かった。
その様子を見ていたイザークはどこかホッとした様子を見せ、
ディアッカもまたニコルに任せることにしたのか作業を再開した。
キラはニコルを伴って玄関前に居座る人物を見つめた。キラの半歩後ろに立っていたニコルは、
目の前でキラを無意識に見下す人物を気付かれない程度の殺気を込めて見据えた。
―――― 尤も、気配などに疎いこの人物が気付くことはありえないのだが・・・・。
「遅いぞ! この私がわざわざ来てやったんだ。 もっと早くで迎えろ」
「・・・いらっしゃい、カガリ。 ここじゃなくて、中に入ってくれればよかったのに」
「この私が? 冗談じゃない。 用件だけ言うぞ。 この日に私が主催するアスランの生誕パーティを開く。
お前は特別に招待してやる。 もちろん、ラクスたちもだ」
「!! ・・・アスランの?」
「当然だろう? アスランの彼女である私が祝わなくてどうする。 用件はこれだけだ。 邪魔したな」
カガリは一方的にそう伝えるとそのままキラに視線を向けることなく、
エレカに乗り込み本島へと戻って行った・・・・・。
2人が戻ってきた頃を見計らってラクスは人数分の紅茶をキッチンから持ってくると
ささやかなお茶会が開催された。
「キラ? どうかなさいましたか?」
「・・・ラクス。 さっきね、カガリがこれを渡しに来たの」
ラクスは渡されたカップを凝視したまま動くことのないキラを心配したのか、優しく問いかけた。
そんなラクスにキラは、悲しみの色をアメジストの瞳に宿しながら
先ほどカガリから渡された招待状の入っている白い封筒をラクスに差し出した。
「『アスラン=ザラ誕生日パーティの招待状。場所:アスハ官邸』 ・・・・アスランの誕生パーティ?
アスランが偽名を使用していること、このバカは完全に忘れているみたいだな」
「仕方がありませんわ、イザーク。
彼女はミネルバの艦内で大声を出してアスランの名を宣言したそうですわ。
後、自分はアスランの彼女だとおっしゃったそうです」
イザークはキラからラクスに差し出された封筒の中身を受け取ると、
中からこの場にいる人数分の白いカードを取り出した。
そのカードには『招待状』が記されており、
内容からアスハ官邸にてアスランの誕生日パーティを開くことが書かれていた。
そのカードの内容を読んだイザークは、驚きを通り越して呆れており、
そんなイザークの言葉に苦笑いを浮かべながらもアクアマリンの宿る瞳には冷気が帯びていた。
「・・・それこそ、完全なバカだろ。 姫、こんなバカの戯言気にする事ないって。
・・・大体、あのアスランがこんな大勢いるところに行くはずがないじゃん?
アイツ、こんな風に人が多いところは昔から極力避けるからな」
「そうですよ、キラさん。 ディアッカの言うとおりです。
アスランの性格を熟知しておらず、
外見で判断するような方の思惑など・・・こちらが合わせる必要はありませんからね?
まぁ、彼の性格を熟知できるのは僕たちくらいでしょうけど」
ディアッカはラクスたちの言葉を聞きながらため息をつき、
見るからに落ち込んでいるキラに優しく微笑みかけた。
そんなディアッカの発言に頷きながら同意したニコルは、
見るからにカードの送り主を侮蔑した視線を中身のない封筒に向け、邪気のない笑みをキラに見せた。
―――― トバーズの宿る瞳に、絶対零度の光が帯びていることを気付かせることなく・・・・・・。
それから数日後、
幼馴染たちからの励ましもあってすっかりとは言えないものの
精神状態が落ち着きの兆しが見えかけていたその日、
朝から本島・・・アスハ官邸からキラへの通信が入った。
その事を彼らと同居している先の大戦でザフトから“浮沈艦”と恐れられていた艦・・・
『アークエンジェル』、通称AAの艦長を務めていたマリュー=ラミアスから伝えられた時、
キラは自分が震えていることに気付いていなかった。
「大丈夫ですわ、キラ。 私たちは、キラの味方ですもの」
その様子に気付いたラクスは、キラに対して安心させるように微笑を浮かべ、キラに付き添った。
ラクスと共に通信にでたキラを待っていたのは、
キラの安定していた精神状態を再び不安定にした張本人の姿が移っていた。
「あら、カガリさんでしたか。 本日のご用件はなんですか?」
《・・・なぜ、ラクスがそこにいる? この私が用があるのはキラだと伝えたはずだが》
「えぇ、聞きましたわ。 ・・・ですが、私がここにいて何の不都合がありますの?」
通信画面でラクスを睨んでいるにも拘らず、
睨まれている本人は表情を変えることなくいつものように笑みを浮かべていた。
キラはラクスやニコルのみに纏うオーラに敏感ではないため分からない時が多いが、
この場にディアッカやイザークがいた場合、
彼らが逃げ出すほどの真っ黒いオーラをラクスはその身に纏っていた。
尤も、そのオーラを浴びせられているカガリもまた、鈍感であるためその気配に気付くことはないのだが。
《・・・フン。 キラ、今日は何か予定があるか? ないよな?
お前が暇だろうと思って今日は特別に私の屋敷に招待してやる。
仮にもお前は私の妹だからな。
それに、アスランの誕生日に着るドレスをお前にも見てもらおうと思ったからな》
「・・・・アスハ・・・官邸に・・・・? ・・・分かった。 ラクスも一緒でいい?」
《別にかまわない。 すぐに用意しろ。 こちらから迎えを寄越す》
カガリは一方的に伝えるとすぐさま通信を切り、キラたちは画面が黒くなった通信機を凝視していた。
「・・・キラ、私も一緒に参りますわ。 ・・・どうせ、ご自分のドレスを見せびらかせることが目的でしょうね。
ですが・・・キラがそのことで自信を無くすことはありませんわ?
キラが誰よりもドレスが似合うのは、私たちが知っておりますもの」
ラクスはニッコリと微笑みながら通信画面に映っていたカガリの真の目的を指摘した。
・・・強ちラクスの導き出した答えは間違ってはいない。
カガリはキラに対して一方的な敵対心を2年前の対戦中から抱いており、何かとキラと対立している。
尤も、対立しているのはカガリだけであって、
キラ本人は自分を邪見に扱うカガリを悲しみを宿した瞳で見ているのだが・・・。
カガリのキラに対して抱く敵対心はアスランとディアッカが新勢力・・・
第3勢力に合流した時から酷くなった。
カガリは自分こそがアスランの彼女だと思っているため、
戦時中はもちろん戦後となった今でもアスランの傍にいるキラを酷く嫌っていた。
尤も、アスラン自身はカガリとは付き合っているとは思っておらず、
そんな彼の性格を幼い頃からの付き合いで熟知しているラクスを始めとする幼馴染たちは
カガリの戯言だと思っている。
アスランは幼い頃からキラ至上な一面があり、
幼い頃から周辺には下心のある者たちやアスラン自身の容姿だけを見て判断する愚か者たちがいた。
そのため、彼が本当に信頼し、心を許すのは数えるほどしかいなかった。
その中でも彼が唯一弱い部分をさらけ出すことができるのがキラであった。
どこまでもキラ至上であるアスランはキラの姉妹と判明したカガリに対しても少しだけ(知人から見て)
優しく接した。
・・しかし、そのことでカガリは自分こそがアスランに相応しいと勘違いし、
アスランの傍にいるキラを邪魔者扱いにしていた。
そのことでアスランはもちろん、ラクスたちまでも彼女を敵と認定した。
キラが憂鬱なオーラをその華奢な身に纏っている頃、
滞在期間に与えられた個人部屋に篭っていたニコルは、
オーブのマザーが管理されているモルゲンレーテにハッキングを仕掛けていた。
モルゲンレーテのマザーから入手したある人物のアドレスを引き出すと、
アスハにとって抹消したと思われる重要データをニコルが使用しているデータベースにデータを
復元して取り込んだ。
データをその場で消去したとしても一度保存されている場合、それだけでは簡単には消えない。
そのため、ある程度の知識と力量であればデータの修復など簡単に出来てしまう。
アカデミーでのニコルの成績は、
情報処理においてアスランに次ぐプログラミング能力を発揮し、
アスランを一方的に敵視する幼馴染を抜いてしまっている。
「・・・・ラクスの考えが合っているのでしたら・・・この方もあの人の我侭に好い加減、
ダメだと思っているんですよね?」
―――― カタ、カタッ!
ニコルは呟きながらもその指が止まることはなく、目的の人物の個人回線を開くことに成功した。
《・・はい。 エリカ=シモンズです》
「あ、繋げましたか。 初めまして、ニコル=アマルフィと申します」
ニコルは画面に写る女性に対してにこやかな笑みを浮かべながら自分の名を名乗った。
《・・・この回線はごく一部の者にしか知られていないわ。 貴方、何者?》
「おや・・・。 一度、ご自分でもマザーのセキュリティに綻びがないかを確かめられたらよろしいですよ?
・・・幼馴染であるキラさんとラクスが先の大戦では大変、お世話になりました」
《・・・そう、貴方が。 以前、ディアッカ君が言っていた通りね。 用件を聞きましょうか》
「話がわかる人で助かりました。 本題は唯一つ。
キラさんとアスランの平穏な日常のために、その日常の邪魔としかならないカガリさんの処分です」
ブロンドの髪を持つ女性・・・エリカ=シモンズは画面上に映るニコルが自分と同類だということに
直感的に気付き、先の大戦時に彼のことを話していた幼馴染の言葉を思い出していた。
そんなシモンズに対し、ニコルはにこやかな笑みを崩さなかった。
《あら。 停戦直後、彼から聞いた話ではしばらくの間放っておくと聞いていたけど・・・・?》
「事情が変わったんです。 好い加減、彼女の好き勝手にさせておくわけにもいかないので。
本来ならば、アスランやキラさん、ラクスはもちろんですが・・・プラントに移住を決めていらしゃる方は
あの時既に移住が出来る準備は整っていました」
《・・・・また、無理を言ったのね?》
「・・・無理というより、アスランがキラさんの願いでやっていることを自分の都合よく解釈している時点で、
僕たちの地雷を踏んでいますから。
今回、彼の誕生日パーティを開くとのことですけど・・・キラさんのためにもこの企画、潰そうと思いました」
ニコルの言葉にため息をついたシモンズは、
これまでカガリが仕出かしてきた我侭のことを思い出しているのか疲労の色を見せた。
そんなシモンズの表情にニコルもまた苦笑いを浮かべながらも
その身には表情を裏切るかのように真っ黒なオーラを纏っていた。
《・・・・そう。 私たちが甘やかしたツケがこんな形で現れるなんてね・・・・。 分かったわ。
キラちゃんには戦時中とてもお世話になったもの。
それに、アスラン君も良くここまで我慢したわねと思うほどよく働いたもの》
「・・・・僕もそう思いますよ。
彼は元々、キラさん以外の女性に近づくことすら嫌悪感を感じていますからね。
例外なのは、キラさんが傍にいる時くらいでしょうか」
《そのようね。 戦時中もあの2人は常に一緒にいたわ。
尤も、私たちはそんな2人しか見たことがないから・・・
彼らにとってそれが自然体とカガリ以外は思っていたけど》
エリカの言葉にニコルは苦笑いを浮かべた。
アスラン・・・いや、双方の依存関係は前々からあったのだが
先の大戦時に最愛の人物を永遠に失う恐怖を味わったことから彼らの依存に拍車をかけた。
その事によって、彼らは常に行動を共にしていた。
その事を分かっているラクスやそのほかのクルーたちも彼らを離すことなく温かい目で見守っていた。
キラに関しては、アスランを失う恐怖とそれまでの精神的苦痛などで精神に限界がきていた。
その危うい中、彼女の均等を保っていたのは他でもないアスランの存在であった。
「僕たちの考えは、一致しています。 完膚なきまでに彼女を潰します。
・・・場合によっては、この国を潰す形になるかもしれませんね。
尤も、こちらの情報によりますとそのようになる可能性のほうが遙かに高いですけど。
・・・・真の後継者はおられませんか? もしくは、彼女を代表の座から引きずり落としたい人物とか」
《真の後継者は・・・いないと思うわ。
けど・・・彼女を引きずり落としたいと思っている人物は心当たりがあるわ。
戦時中、この国にとって彼女は不要と考えていた人物よ》
エリカはそう呟きながらニコルにその人物のアドレスを送り、こちらからも連絡をしておくと約束をした。
長時間の通信は、相手に探知される恐れがあるためエリカはそのまま通信を切断した・・・・・。
ニコルは早速エリカから送られてきたアドレスを開くと、盗聴と受信妨害のリスクを少しでも少なくするために
無人コロニーなどを経由して、送られてきたアドレスのPCにハッキングを開始した。
本来ならば正当性として正面から堂々と向かっていくことを好むニコルだが、
事態が深刻のために慎重性を優先した結果である。
正面から向かってもこちらの意見さえ通らなければ意味がない。
そのため、強制的にだがこちらから侵入しての訪問を選んだのであった。
―――― あくまでも、それは最終手段であったのだが・・・・。
《・・・・何者だ。 私の個人PCに侵入するとは、私が誰だと知ってのことか?》
「初めまして。 突然の通信、失礼いたします。 僕は、ニコル=アマルフィと申します。
ここのアドレスは、オーブのエリカ女史からお教えいただいたものです」
ニコルがハッキングした通信から女性の声が響いた。
その声に対してニコルはニッコリと微笑を浮かべながら
自分の名とそのアドレスを教えた人物の名前を通信画面にいる女性に答えた。
《・・なに? シモンズから? ・・・用件はなんだ》
「お話が早くて助かります。
・・・単刀直入に言いますと、
現オーブ連合首長国の代表にいるカガリ=ユラ=アスハの失脚を狙っています」
《・・・・ずばり本題だな。 ・・・そのようなことを私に知らせて、何が望みだ?》
通信画面に写る女性・・・ロンド=ミナ=サハクはニコルからエリカの名を聞くと
それまで纏っていた殺気を綺麗に消した。
その様子を感じていたニコルは、彼女に対して自分やエリカに共通するものを感じた。
自分やエリカと似た属性を臭わせるロンドに対し、先ほどの初対面用の微笑ではなく、
限りなく地に近い笑みを浮かべながらキッパリとカガリの失脚させることを宣言した。
そんなニコルの宣言に対し、眉を顰める程度にしか表情に変化のなかったロンドは
ニコルが先ほどとは纏っている気配が違うことを本能的に感じたのか、
探るように画面に写るニコルを見つめた。
「僕の・・・いえ、僕たちの望みは唯一つ。
貴女の情報網とその行動力、僕たちにその力を貸していただけないでしょうか?
この話は、貴女にとっても悪いものではないでしょう?」
そんなロンドに対し、ニコルは微笑むことで彼女の考えを肯定したのだった。
《・・・そうだな。 確かに、私はあの者をオーブの代表だと認めない。 了解した。
あの者を代表から引きずり落とすまでの間、貴殿に協力することにしよう》
ニコルの微笑みに含まれるモノを正確に理解したロンドは、
苦笑いを浮かべながらもニコルに似た気配をその身に纏った。
こうして、カガリの知らない間に彼女を代表の座から追放する算段が着実に実行されつつあった・・・・。
2006/12/10

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