出会い ―月時代― A
― 運命 ―
「うん! かあさま、にぃさま、はやくいこ!!」
少女は兄の手を精一杯引っ張りながら外へと出た。
その頃、問題のお隣では一人の少年がそっくりな女性に呼ばれていた。
「アスラン、これから私の大切なお友達がくるから、失礼が無いようにね?
お友達・・・カリダ達はお隣だそうだから、すぐに来るわ。
その時、あなたと同じくらいの女の子も来るそうよ」
「・・・女の子・・・ですか? 挨拶をしましたら、部屋の方に行きますので」
母に呼ばれた少年はとても6歳とは思えない大人びた口調だった。
そんな息子に苦笑いを浮かべながら今か今かと玄関のほうを気にしていた。
−−−−−ピーンポーン
玄関の近くで待機していた女性はチャイムが鳴ると同時に扉を開いた。
「カリダ!!久しぶりね!!」
「レノア、相変わらず美人ねぇ。パトリックさんはお元気? ハルマが会いたがっていたわ」
「ちょっと、今忙しい時期みたいなのよ。 でも、それが終わったら有給をとってくるって言っていたわ」
「まぁ、そうなの? ・・・キラ、スバル?いらっしゃいな」
少年は今まで見たことのない女性の反応についていけず、部屋の前で固まっていた。
扉の向こうの女性・・・カリダは自分の後ろに隠れていた子ども達を呼んだ。
「お初にお目にかかります。 スバル・ヤマトです。 この度は、お隣に引っ越してまいりましたのでご挨拶に参りました。 ・・・キラ?おいで」
「はじめまして、キラ・ヤマトです!」
カリダに呼ばれた少年が自ら名乗ると少年の傍にいた少女も名乗った。
「初めまして、スバル君、キラちゃん。 私はレノア・ザラよ。 よろしくね? アスラン、あなたもご挨拶なさいな?」
女性・・・レノアは部屋の前にいる息子を呼んだ。
呼ばれた少年は慌ててキラ達の前にやってきた。
「初めまして、アスラン・ザラです」
少年・・・アスランはキラを見つめながら自分の名前を名乗った。
「アスランくんのおめめ、きれいね。おばさまとおなじいろ」
キラはアスランの瞳の色があまりにも綺麗なため、無意識に言葉が出ていた。
アスランは驚いているが、キラはそんなことを気にも留めずにニッコリと微笑んでいた。
「・・・僕がザラって名乗っても変わらないんだ・・・」
「? アスランくんはアスランくんでしょう?」
アスランの呟きに首をかしげながらキラは即答で答えた。
「キラはアスラン君のこと気に入ったの?」
「うん! ・・・にぃさま、きらい?」
「いいや? 嫌いじゃないよ? お庭広いみたいだから、2人でお庭に行って遊んでおいで?」
「うんっ!アスランくん、いこ!!」
今までの会話を静かに聞いていたスバルはキラに質問を問いかけ、予想通りの答えに微笑みながら庭へと送っていった。
「確かめられたの、スバル?」
「はい。 ・・・大丈夫のようですね」
スバルは思ったよりも自分がアスランに対して高感度を持っていたことについても驚いていた。
後に、この判断が間違いではないというとが立証されるのだが、この時はスバルにも予想されてはいなかった・・・・。
2005/08/27(拍手にup)
2006/07/27
アスランとキラ、スバルの出会い編です。アスランはキラに無意識のうちに一目惚れv
そのことに気づいたのはスバルとレノアだけです。
この話はまだ続きます・・・(滝汗)
ほかの幼馴染達が残っているので・・・.。