神の花嫁
― プロローグ ―
「キラ、その力は人前で使ってはダメよ?」
「大切なキラを、悪い人たちに連れて行かれたくないから・・・その力は私たちの秘密だ」
幼い頃、両親に見せたこの《力》。
あの頃は、母様たちが言っている意味を理解することが出来なかった。
ただ、母様たちは私を何者からか守るかのように強く・・・そして、優しく抱き締めていた。
そんな母様たちを心配させたくなかった。
だから、この《力》は父様たちにしか見せることはなかったわ。
見せて差し上げるととても嬉しそうに微笑んでくださったもの。
・・・・父様たちの言った意味、こんなことになって初めて気付いた。
父様たちが、何を恐れていたのかを・・・・・・・。
「貴族共の中から何も伴侶を選べとは言わん。
お前のことを一番に考える娘と結婚したほうがお前のためでもあるからな」
「私たちは、貴方に幸せになってもらいたいの。
昔から、他人に触れることを極端に嫌がっていたもの。 ・・・権力に負けてはいけないわよ?」
幼い頃から、両親と幼馴染たち以外本当の俺を見てくれる者たちはいなかった。
貴族共は、〔プラント帝国次期皇帝〕という立場での俺しか見ず、俺個人として見てはくれない。
もちろん、その娘共も然り。
その頃から、ごく僅かな・・・それこそ俺が本当に信頼できる者にしか触れることも触れられることも出来なくなった。
両親や幼馴染たちは本当に信頼できる。
彼らは、絶対俺を裏切らないと知っているから。
心の凍った俺を・・・本当の俺を見つけてくれる誰か。
そんな人間が、本当にいるのだろうか・・・・・・・・。
2007/06/01
完全パラレル第二弾ですv
今回は、現代モノではなく異世界モノv
時代的には、中世をイメージしております。
相変わらず、精霊や魔法などが大好きな管理人ですので・・・
似たような言葉が出てくるでしょう;
見捨てないで見ていただけたら、幸いですv
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