「泣かないで?また、会えるから」
「・・・僕、ここを離れたくない・・・・・。もっと、一緒にいたいよぉ」
「僕も一緒にいたいよ?けど・・・・まだ、僕らは子どもだから・・・・。・・・・ねぇ、僕が迎えに行けるまで、この子と一緒に待っていてくれる?」
「?この子?」
「うん。・・・ほら、前に欲しいって言っていただろう?だから、作ってみたんだ。・・・・君が、少しでも涙が止まるようにって」
『トリィ?』
「クスッ。可愛い・・・。この子のお名前、なぁに?」
「トリィって言うんだ。気に入ってもらえた?」
『トリィ!』
「トリィ?ありがとう・・・・・。僕、大事にするね?」
「うん。・・・・きっと、大きくなったら迎えに来るからね?大人になったら、僕のお嫁さんになって?・・・母上達も喜んでくれたんだ。・・・ほら、これ・・・」
「!!・・・これ、小母様がとても大切にしていた指輪でしょう?もって来てよかったの?」
「うん。母上がキラに渡しなさいって。・・・・コレをもっていたらすぐに分かるでしょう?」
「・・・・うん。きっとだよ?ずっと、アスランを待っているから!」
彼は、僕にメタルグリーンの鳥型ペットロボットと彼の母が大切にしていた小さなシルバーリングを渡して約束をしてくれた・・・・。大きくなったら彼と再会し、幼い約束・・・・彼のお嫁さんになるという夢を叶えるために、今まで頑張ってきた・・・・・。
けど・・・・、運命はそう簡単にいかないものだった・・・。
優しかった両親が事故で他界し、幼かった僕は彼のご両親に引き取られる前に血の繋がった姉が養子となった家に拉致同然で連れ去られてから・・・・・・。
僕の居場所はここにはない・・・。僕に残されたのは、幼かった頃の幸せな思い出と彼からもらったこの2つの宝物だけ。
僕は、この2つのおかげで今まで寂しかったけど頑張ってきたんだ・・・・・・・・。
2005/10/28
学園ものパラレルです。
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