「ファル様・・・。 ・・・ありがとうございます、ファル様。 ずっと、こうしてさし上げます。
ですから、もうお休みください」
大切な姫様とサイアリーズ様をお守りになられようと、緊張の連続でしたね。
ルナスで少しお休みになられたとしても、何の気休めにもなりません。
視察に同行されたサイアリーズ様や日々訓練をしていた俺たち女王騎士はともかく、
日頃は勉学に励まれておられる姫様を連れての逃亡生活。
幼き頃より、姫様をお守りするとお誓いになられていても、まだまだ心身共に未熟な部分もあられる。
年少の頃より、お傍に仕えることを許されたために、
他の方々より王子のお傍にいることのできた俺には、王子のお考えになれられていることが手に取るように分かります。
これからも、今まで通りずっと王子・・・ファル様のお傍におります。
ですから、俺の前だけでも力を抜いて、昔のように愛らしい微笑を見せてくださいね?
Recover
― 初勝利の凱旋 ―
バロウズ卿の屋敷に身を寄せてから3日。
太陽宮を脱出してからは追っ手から逃れる為に、緊張の連続だった彼らだったが、
バロウズ卿の思惑が何であれゆっくりと身体を休ませることができたために今ではいつもと変わらない表情に戻っていた。
「王子!」
ルーシュに宛がわれた部屋でカイルと雑談をしながら寛いでいた彼の元に、リオンがノックをすることなく慌てて駆け込んできた。
「どうしたんだい、リオン。 そんなに慌てて」
「はい、それが・・・・・・。 ゴドウィン卿の軍勢がこちらに向かっているそうです」
「・・・そう。 叔母上は下にいるんだね? ・・・すぐ、行く」
慌てた表情のリオンとは反対に、ルーシュは冷静を保っていた。
彼には、今回の進攻を前から予想はしていた。
彼らの目的の為には、一緒に逃げてきたリムスレーアの存在が必要不可欠である。
そして、その身を守り王族の血を引く自分やサイアリーズが邪魔な存在であることもしっかりと理解していた。
そのことを一部の者以外に見せなかったのは、完全にバロウズ卿を信用していないからに他ならない。
バロウズ卿も今回のことを予測していたのか、この数日のうちに準備を進めていた。
剣や弓などの武器はもちろん、彼の呼びかけにより各地から次々と志願兵を集め、彼らの訓練をウィルド卿が指導していた。
レインウォールは今や反ゴドウィン勢力の本拠地となっており、市民たちの活気も然ることながら日に日に土気も上がっていた。
視線を前のソファに座っていたカイルに移し、彼にだけ分かる様に頷いた。
彼の表情だけで彼の思っていることを把握したカイルは、ルーシュに付き従うように部屋を出、階段を降りた。
エントラス・ホールには既に、バロウズ卿をはじめウィルド卿、サイアリーズが揃っていた。
「王子殿下、ご足労をおかけして申し訳ございません。
お聞きに及びかと思いますが、ゴドウィンめの軍勢が回転橋を渡り、こちらに進軍中との連絡が入りました」
回転橋とは、国土中央を南北に流れる大河に掛けられた特殊な仕掛け橋である。
その橋は2年前の東の離宮が暴動で荒らされたことを受け、著名な発明家が考案して作り上げた。
歯車によっての仕掛けで、使用する時だけ橋を渡すことができる。
また、国土の東西を結ぶ拠点であることから、戦略上の重要な地点として認識されている。
「そうでしたか。 まさか、こんなに早いとは・・・・・・」
「向こうも必死なのでしょう。 その兵の数約300。
今朝方到着した使者によりますと、
『目的は大罪人であるゲオルグ=プライムの捕縛と王子殿下とサイアリーズ様、そして婚約者であり次期女王である姫様の保護。
大罪人の行方は現在捜索中であるが、姫様方の保護を優先とし、バロウズ卿にも全面的な協力を要請する』
・・・でしたな」
ルーシュはバロウズ卿の言葉を聞き、予測はしていたものの同じファレナの民だという事で心痛な表情を見せた。
そんなルーシュの表情をどう解釈したのか、バロウズ卿は余裕な笑みで兵の数や使者の言葉を伝えた。
「保護なんて、建前だろ。 あいつらが保護したいのは、リムだけだ。
保護の為ならば、私兵を300もこっちに向かわせるなんておかしなことあるわけないじゃないか」
バロウズ卿の言葉に眉を顰めてのはそれまで静かに聞いていたサイアリーズであった。
「その通りでございます。 皆様方、ご安心くださいませ。 私どもはこんな脅迫など、屈する気など毛頭ございません。
たとえ先方が実力行使に出ようと、これを迎え撃つ所存でございます。 そのために兵の準備を整えてきたのではありませんか」
「そのお心遣い、痛み入ります」
サイアリーズの言葉に大きく頷いたバロウズ卿は、肥え過ぎた腹を揺らしながら屋敷に揃えれた武器を見渡した。
そんなバロウズ卿に公的用の微笑を浮かべながら礼を述べた。
信用していない貴族であるが、現在は大切な協力者である。
彼のおかげで、これ以上宛のない逃亡に終止符を打てたことに変わりはない。
そして、こうして実力行使に出てきた相手を迎え撃つこともできるのだ。
そのことを考慮して、ルーシュは貴族たちの知る儚い笑みを浮かべていた。
「いえいえ、とんでもございません。 元々我らは、王子殿下方をお助けしようと集まったのですから、当然のことです。
それより、王子殿下に一つお願いがございます」
「なんでしょう?」
「えぇ、簡単なことです。 我々の軍勢を、王子殿下に率いて頂きたいのですが・・・いかがでしょうか?」
ルーシュの儚い笑みに満足したのか、バロウズ卿は大げさなジェスチャーを交えながら両手を広げた。
そして、一歩ルーシュに近づきながらある提案を出した。
ルーシュはそんなバロウズ卿の言葉に対し、大体のことを予測しながらも表に出すことなく、小首を傾げた。
「・・・分かりました。 そのお役目、お引き受けましょう」
何かを考えた表情を浮かべながら提案された言葉に、ルーシュは暫く思案した表情を浮かべた。
そして、静かに自分を見守る叔母の姿を映した。
サイアリーズは心配そうな表情を浮かべながらも、その中に悔しげに歪んでいることに気付いた。
この提案に、初めから彼に拒否権などないことを彼女は悟っていた。
現在、彼らはバロウズ卿を頼るほかゴドウィンと対抗する力を持っていなかった。
このまま逃げ回って捕まっては、ここまで逃げてきた意味がない。
捕まらない為には、ここで対抗するしかないと覚悟を決めていた。
だが、実際姉夫婦の忘れ形見であり、生まれた時から可愛がっていた甥っ子が危険な戦場に出ることに対して、
彼女の心情は複雑であった。
そんな叔母の心情を理解したルーシュは、バロウズ卿に頷くとそのままサイアリーズの傍に寄り、家族に見せる笑みを浮かべた。
「・・・無理はするんじゃないよ、ルーシュ。 アンタの身に何かあったら、リムが悲しむ。 もちろん、私もね」
「はい、叔母上」
「サイアリーズ様、それがしが副将として就きます故、何も心配はいりませんぞ! 共にゴドウィンの兵を蹴散らしてやりましょうぞ!」
そんな甥っ子の笑みに、豪快に笑う義兄の姿を重ねたサイアリーズは、優しく姉と同じ髪を撫でた。
叔母の言葉に承知とばかりに頷いたルーシュに、2人のやり取りを見守っていたウィルド卿が豪快に笑った。
「王子、俺も一緒に行きますよ。 王子の部隊には、絶対に近づけさせませんからね」
「ありがとう、カイル。 リムの傍にはミアキスを。
・・・闘神際の時、母上がリムにあのように仰っていたけど・・・まだ、あの子には見せたくない。
理由がどうであれ、これを機にファレナの民同士が戦うのだから・・・・・・」
エントラス・ホールが土気に溢れる中、緊張した面持ちのルーシュに優しく声をかけたのは彼が最も信頼しているカイルであった。
カイルの微笑みに自然と力を抜いたルーシュは、闘神際の際に母が妹姫を諭した言葉を思い出していた。
次期女王となるリムスレーアの名の下に多くの民が傷つき、死んでゆく。
それは8年前のアーメスとの戦いや12年前の王位継承争いによって起こった内乱を経験したアルシュタートがなによりも恐れ、
覚悟しなければならないものであった。
その言葉を理解しているルーシュであったが、それでも民同士が戦い、傷つく姿を見せたくは無かった・・・・・・。
静寂に包まれていた草原の彼方から、大軍の足音が徐々に近づいてくる。
その様子を隣にカイルとリオン、ウィルド卿を従え、背後には300の歩兵。
遥か後方にはサイアリーズの率いる弓部隊が待機していた。
リオンはルーシュを静かに見つめていたが、そんなリオンの視線を気にすることなく前だけを静かに見据えていた。
「王子、無理はなさらないでくださいね・・・・・・」
小さなリオンの呟きはルーシュの耳にも届いていたが、ルーシュは視線を前から逸らすことなく無言で返した。
赤いベレー帽にカーキ色の軍服。
忘れることのできないその姿は、太陽宮が陥落した日に闇に乗じてルーシュたちを狙った憎むべき連中であった。
「そこの部隊、止まれ! 私は王家に連なる王子、ファルーシュなるぞ。 いかなる理由で、この地に参った。 答えよ!!」
ルーシュは腰に備えている連結式三節棍・・・『三烈棍』を素早く連結させ、こちらに進軍してくる部隊に向けた。
ルーシュの声が遠くまで響き、部隊が足を止めた。
前に進み出てきたのは軍服にいくつかの勲章を輝かせている中年の男だった。
その男が、部隊の隊長のようだ。
「王子殿下! 我らは次期女王騎士長になられますギゼル様の命により、姫様と王子殿下方をお救いに来た者です!!
婚約者であらせられるギゼル様が、姫様の御身をご心配なされております! 速やかに、姫様方と一緒に我らと合流してください!」
「よくも、私の前にしてそのようなことを抜け抜けと言えるものだな。
そもそも太陽宮を襲い、我が父と母を亡き者にしたのは、ギゼル=ゴドウィンではないか!
そのような者に、私の妹を渡すとでも思っておるのか!」
隊長格の男が発した言葉に、怒りが沸々と湧き上がってきたルーシュは、吐き捨てるように怒鳴った。
そんなルーシュの怒鳴り声に辺りは再び静寂に包まれたが、遠目で見ても分かるほど私兵たちは下卑た笑みを浮かべていた。
「誠に残念です、王子殿下! 我らは次期女王騎士長であられるギゼル様の勅命を受けております!
我らの勧告を受け入れられない場合、王子殿下たちを反逆者とみなして討ちます!
姫様の御身だけ保護し、ギゼル様の下へお連れいたします!!」
敵の本音が、漸く出てきた。
ルーシュが相手に従おうが従わなかろうが、ゴドウィン勢はルーシュたちを亡き者にするため、彼らを追い込む。
リムスレーアを傀儡の女王にして、自分たちが実権を握ろうとしているのだから。
そのためには、彼女を守ろうとするルーシュたちの存在が邪魔なのだ。
ルーシュは、自分の中で何かが弾けるのを感じた。
ゴドウィン家は女王家に反逆し、父と母を討っただけでは飽き足らず、
妹姫を利用して自分たちが実権を握る為には邪魔な存在である自分にも「反逆者」という汚名を着せようとするそのやり方に、
憤りを隠せなかった。
「皆の者! 王家の名において、逆賊であるゴドウィンを討つ! ファレナの地を愛し、我が祖国の繁栄を願う者は我に続け!!」
ルーシュはギリッと奥歯を噛み締め、目を閉じた。
自身を落ち着かせ、再び開いたその瞳には決意が宿っていた。
ルーシュは背後の兵に振り返り、高々と叫んだ。
ルーシュの言葉に、突風のような歓声が巻き起こった。
ゴドウィンの私兵たちもそれぞれ剣を抜き、前進を開始した。
戦いの火蓋が、切って落とされたのだ。
「ウィルド卿!」
「お任せあれ!!」
ルーシュの叫びにウィルド卿が応える。
300の歩兵部隊は150ずつ右をウィルド卿が率い、左をルーシュが率いていた。
この布陣は後方に控えている弓部隊を効率的に利用し、敵の部隊を完全に包囲する為でもあった。
ルーシュの合図にウィルド卿が動き、歩兵部隊が二手に分かれたと同時にサイアリーズが率いる弓部隊がその姿を現した。
「総員、撃て!」
サイアリーズが右手を上げると同時に号令を出し、射手が一斉に矢を浴びせた。
上空から降り注ぐ矢はもちろん、正面からも射られる矢に対し、瞬く間に敵兵は混乱に陥った。
敵兵が混乱している隙に、ルーシュたちは完全に包囲した。
ルーシュはサイアリーズに合図を送って矢を止めさせ、歩兵部隊に号令を出した。
「我らに太陽のご加護を!」
ルーシュに付き従う形で背後を守っていたカイルが叫び、ルーシュを狙う敵兵を片付けてゆく。
リオンもまた、敵兵の返り血を浴びながら相手の退路を絶っていった。
ルーシュは自分に向かってくる敵兵に、『三烈棍』を巧みに変化させながら振るった。
辺りは一気にゴドウィン兵の悲鳴が響き、バロウズ兵の怒声が飛び交う。
戦況は圧倒的にルーシュたちが有利で、サイアリーズの部隊も白兵戦に参加していた。
ルーシュは、母から国宝である『連結式三節棍』を継いだ時から、いつかは起こるであろう戦を覚悟していた。
彼もまた、2度の大きな戦いを経験しているのだ。
内乱の時は彼がまだ4歳の時であったが、彼の記憶には鮮明に残っていた。
アーメス侵攻の際にも慰問団に混じって戦地を回った為、戦場には慣れていた。
そのため、万が一再びファレナが戦場になる場合は自分も戦えるように・・・母や妹姫を守れるようにと日々鍛錬を重ねてきていた。
時には関節を外し、三節棍に。
時には連結し、棍棒として襲ってくる敵を打ち払ってゆく。
敵を倒す度に編み上げられた彼の美しい白銀の髪が舞い、味方の兵たちは戦場に降り立った舞姫かと錯覚した。
「王子殿下、誠に残念です。 大人しく、我らに従っていればよかったものの・・・・・・。
貴方が我らに抵抗すればするほど、民が傷つくというのに・・・・・・」
「・・・民を傷つけているのは、貴様らであろう。 平和だったファレナを乱世に落としいれ、自らを指導者としない者を亡き者にする。
私の妹をそのような非道に利用しようなど、許しはしない」
連結したままの『三烈棍』を思い切り振るったルーシュに対し、ギリギリで受け止めた敵兵の隊長は、嘲笑う。
そんな敵隊長に驚いた表情を見せることなく、一瞬だけ緩めて関節を外した。
青金石の瞳には氷のような冷たい光が宿っており、敵隊長に冷笑を浴びせた。
ゴドウィンと敵対すると決めた時から、このことが切欠で国が二分するということに対して覚悟を決めていた。
本来ならば、内乱を避けたい。
だが、そのために妹姫が利用されると分かって、みすみすと渡すわけにはいかない。
そのようなことをすれば、今まで逃げてきた意味がない。
彼の冷徹な視線に怯んだ敵隊長にできた隙を見逃さなかったルーシュは、素早く連結させて急所に渾身の一撃を放った。
早い動きに対処できなかった敵隊長は、まともに攻撃を受けてその場に崩れ落ちた。
崩れ落ちた敵隊長を見ることなく、ルーシュは辺りを見渡した。
敵隊長が倒れたことにより、敵側の兵たちに動揺が走った。
その動揺が焦りと恐怖に変わるのは遅くなく、囲まれていない方向に脱走する兵が続出した。
脱走する敵兵を追うことなく、未だに立ち向かってくる敵兵に対してルーシュは容赦なく攻撃を加えていった。
「王子、もう・・・十分ですよ」
無心に『三烈棍』を振るうルーシュを止めたのは、女王騎士の制服に正装したカイルだった。
カイルは手甲を外し、優しくルーシュの肩を掴んだ。
自分のよく知る気配に気付いたルーシュは、ゆっくりと『三烈棍』を持った手を下ろした。
ルーシュは、改めて周囲を見渡した。
青々とした草原は今では敵味方の血に染まり、広い草原は倒れた兵たちの骸で足の踏み場もなくなっていた。
その光景に顔を歪ませたルーシュは、自分に向けられている視線に気付き後ろを振り返った。
自らの周りも血の海に染まっており、傷ついて地面に倒れていた数名の敵兵が、怯えた表情でルーシュを見上げていた。
ルーシュの衣服も手も、全て敵兵の血で染まっていた。
唯一染まっていないのは、白銀の髪のみ。
血に染まった大地に光り輝く、美しい髪だけであった・・・・・・。
戦場から帰還した彼らを待っていたのは、歓声に溢れるレインウォールの市民たちであった。
「おぉ! 王子殿下が凱旋なされたぞ!!」
市民の歓声の中、ルーシュは静かに階段を上って高台を目指した。
リムスレーアには、戦場に出る前に自分が来るまでミアキスと部屋の中にいるようにと告げてある。
そのため、今の格好を妹姫に見せることはない。
だが、僅かな血痕の残る手を見つめながらルーシュは顔を歪ませた。
覚悟をしていたとはいえ、今回の戦闘を切欠に国がかつての元老院と同じく二分したことを意味していた。
ソルファレナを占拠し、次期女王騎士長という肩書きを持ったゴドウィン家。
女王家の生き残りと次期女王を保護した形となっているバロウズ家。
双方が武力によって衝突したことにより、2大派閥に分かれる貴族たちが分裂したことを意味しているのだ。
内乱という乱世になったことで直に影響を受けるのは、何時の時代も国を支えている民。
双方の衝突が続けばそれだけ国土が荒れ、民が苦しむことは目に見えていた。
しかし、ここで屈する訳にもいかない。
その二つの思いに、ルーシュは揺らいでいた。
「・・・王子。 俺は、王子がお決めになられたことに最後まで、従いますよ」
「・・・カイル。 そう、だね。 ここで、僕が・・・僕たちが立ち止まるわけにはいかないよね」
「素晴らしい、誠に素晴らしいですぞ! 見事な勝利でした!! フェリド閣下の血を受け継いだ、新たな軍神の誕生だ!!
聞け! 秩序と平和を愛するレインウォールの民よ! ファレナは今、ゴドウィン卿の邪悪な野望によって蝕まれようとしている!
しかし、太陽の導きによりファルーシュ王子殿下が、我らの前に立ってくださった!
我らは王子殿下の御身の下、女王陛下とフェリド閣下を手にかけた邪悪なゴドウィンに鉄槌を下し!
我らの祖国であるファレナの正しき姿を、取り戻すのだ!!!」
『おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』
「大河の如き慈愛と太陽の如き威光をあまねく示さんがために!」
『大河の如き慈愛と太陽の如き威光をあまねく示さんがために!』
バロウズ卿は必要以上に、ルーシュが自軍陣営にいることをアピールしだした。
彼が得意とする演説が白熱しだすと、中央にいたルーシュを押し退け、自身が中央に立った。
集まった群衆やウィルド卿は素直に感銘を受けていたが、サイアリーズやカイル、リオンは心配な表情を浮かべてルーシュを見つめた。
ルーシュ自身、バロウズ卿の言葉に熱狂する群集に対し、表情には出さないものの内心、戸惑いを隠せなかった・・・・・・。
2010/01/01

新年、明けましておめでとうございます!!
今年一発目の更新は、幻水X!!
・・・今回も前回の更新から約半年ほど経っていますけど;
漸く、二章が終わりました。
これから、本格的に動き出します。
・・・・本拠地入手はまだまだ先ですけど;
今年も、皆様宜しくお願いいたしますvv

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