さすがに言いすぎだと感じたのかミリアリアがフレイを諭す。



「フレイ!!キラだって必死に・・・・・」



だが、そんな言葉は聞いていないとばかりにフレイは尚も言った。

キラの怒りを更に煽る一言を。



「アンタ 自分もコーディネイターだからって本気で戦ってないんでしょう!!!」



そういったとき、キラはフッと笑みを浮かべた。

丁度時間になっていたのもあるが、壮絶な妖艶な笑みを。



「本気で戦っていない?


そうだよ。なんで僕が君みたいなナチュラルのために戦わなきゃならないんだか。


馬鹿も休み休みに言った方が良いよ。


僕はね、コーディネイターなんだよ。


なんで味方を倒さなければならないんだか。


特に君みたいな自分は何もせず、文句だけ言って泣き叫ぶしか脳のない女の親の命なんてどうでも良いよ。」



そういって笑い出すキラにフレイは激昂する。



「なによ!!本性現したわね。


アンタなんて死んでしまえばいいんだわ!!」



そういって銃を取り出し、構えるフレイ。

ミリアリアやサイはキラから発せられた言葉に固まっており、動けなかった。

仲間だと思っていたキラがあんなことを言うとは思わなかったのだろう。

フレイが銃の引き金を引こうとした瞬間・・・・。






バーン!






辺り一面に大きな銃声がとどろいた。

その弾はフレイが持っていた拳銃を弾き飛ばし、見事に壊してしまう。

驚いたミリアリアやサイが後ろを振り向くと、そこには拳銃を構えたままのアスランの姿があった。



「アス・・・ラン・・・」



そういいながらも嬉しそうに微笑むキラにアスランも微笑を浮かべ、近づくと抱きしめる。



「間一髪だったじゃないか!!


キラ、死ぬ気だったのか!?」



そういって怒り出すアスランにキラは



「僕が死ぬわけないじゃないか。


フレイみたいな奴が銃を撃てるわけないんだからさ。


でも、迎えに来てくれたんだね。ありがとう。」



そういって微笑むキラ。

誰も見たことのない綺麗な微笑でフレイはますます怒り狂う。



「何してんのよ!!どうしてザフトがいるのよ!?


裏切り者!!あんたなんて死ねばいいんだわ!!!」



そう騒ぐフレイにアスランは銃を向ける。

「この艦はザフトが掌握した。


投降すれば命までは取らない。どうする?」



碧玉の瞳で射抜かれながら発せられたその言葉にミリアリアやサイたちは抵抗することもなく、投降する。





ただ一人、フレイだけを除いて。



「いやよ!!なんで私たちがあんたたちの言うこと聞かなきゃならないのよ!!!


コーディネイターはナチュラルに従うべきなのよ!!


それになに、裏切り者の癖に守られちゃって!!裏切った責任とって死になさいよ!!」



そう喚きたてるフレイ。

キラは妖艶たる笑みを浮かべながらアスランから銃を受け取り、



「そういえば、自己紹介してなかったよね?


僕はザフト軍特殊部隊ザラ隊所属副長のキラ・ヤマトです。


抵抗したフレイにはそれ相応の償いをしてもらうよ?


ラクスを人質にしろといったのも君だしね。」



そう告げたかと思うと、






バーン!






再び銃声が響き、フレイの肩に貫通していた。

その様子を薄く笑みを浮かべながら見つめていたキラはアスランに従っていた緑軍服の平兵士3人のうちの一人に



「こいつはヴェサリウスの独房に入れてやって。


自分の立場とかまったく理解していない馬鹿女だから。」



そう告げ、もう2人にはミリアリアとサイを連れて行かせる。

そうして誰も居なくなった医務室で2人久しぶりの恋人の逢瀬を楽しむのだった。







一方のブリッジでは、

いきなり生命装置以外のシステムがダウンし、混乱に陥っていた。



「どういうことだ!」



ナタルがいらだたしげにそう告げるが



「分かりません。」



答えはそうとしか返ってこない。



そうこうするうちにザフト兵がなだれ込んでくるのだった。

アークエンジェルのクルーたちは、抵抗する余裕もないまま、全員が拘束されてしまうのだった。

クルーたちが拘束されている場所に向かって歩き出すキラとアスランの元に二コルがやってくる。



「あっ!?ヤマト副長!!お帰りなさい。」



黒い笑みを浮かべる二コルにキラも



「ヤマト副長はやめてよ!!二コル。


キラでいいから。ラクスは救い出したよね?」



そう聞けば、二コルは



「当たり前です。


ようやくザラ隊が復活できますね。


微弱ながらお手伝いさせていただきます。


キラが戻ってくるのを今か今かと待ち望んでいたんですよ?」



そう告げる二コル。

だが、アスラン自身はそれも面白くない。

キラが自分以外と話すことすら気に入らないのだ。

そんな様子に気づいていた二コルは



「アスランがキレそうなので失礼しますね。


みなさんはブリッジに既にあつまっておられますよ。」



そう告げ、その場から離れていった。

二コルの姿が見えなくなると、キラは立ち止まりアスランに抱きつき、胸に頭を埋めながらも



「これでようやく僕たちの願いが叶うね。


これからが大変だ。」



そうつぶやき、アスランも頷くのだった。

二人の計画は二人にしか分からない。

叶うまで二人はずっと戦い続けるのだろう。






いつまでも・・・・・












尻切れトンボですが、終わらせていただきます。
こんなもので申し訳ありませんが、どうぞ受けとってくださいませ。
考えてみれば・・・ラクスほとんど出てなかったなぁ〜
すみません。
なんとなく二コル黒そうな感じで最後出てきました。
では、これからもよろしくお願いしますね。







萌音様、−Fairy Waltz−







あとがき返し

素敵な小説、ありがとうござます!!
黒キラ、黒アス(別名:ザラ様v)、黒ラクス・・・vv私的に、二コルの黒化も大好きですっ!!

こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします!!