僕は、彼と彼の父様、そして、兄さまたちが助けてくれた。


あの、とても暗い闇から。




・・・僕は、彼らを許すことができない・・・。




僕の本当の両親と僕が何であるかを知っても、それでも愛情を注いでくれた両親を殺したあいつらが。











Iris
 ― 懐かしき日々 ―











始まりは突然だった。
彼女たちの住む【月】は『ナチュラル』と『コーディネイター』が両方住むことのできるコロニーの一つである。
しかし、『コーディネイター』をよく思わない地球連合軍の月基地でもあった。



だが、そんな中でも彼らは幸せであった。
『ナチュラル』であるが『コーディネイター』の親友を持ち、能力に関しても彼らと同じくらい優秀であった。



「ずっと、このまま平和な時代が続くといいのにね・・・。 父様、小父様と気が合うみたいなの。
母様が小母様と仲良しになった訳が分かったって言っていた」




鳶色の髪質を持つアメジストの瞳の少女は、嬉しそうに隣にいた少年に話しかけた。



「僕も父上のあんな表情は始めて見たよ」



少女に微笑んだのは紺瑠璃色の髪質を持つエメラルドの瞳の少年だった。
彼らは、母親同士が親友で、少女達一家がこの月面都市に引っ越してきたお祝いの席でもあった。
本来は、当日にする予定だったが、少年の両親は仕事が忙しく、あまり都合が付かなかったため、
少女達が引っ越してきて3ヶ月の月日が過ぎていった。



「ごめんなさいね、カリダ。 私たちの仕事が遅くてこんな時期になってしまって」

「いいのよ、レノア。 ・・・でも、驚いたわ。
エザリアさんたちまで息子さんたちをあの学校に通わせていたのね。
キラがラクスちゃんたちのお話が出てきた時は驚いたわ」



自分たちの子どもたちが仲良く話しているのを微笑ましそうに眺めていた女性陣たちも
自分たちの話をし始めた。



「そうね。 でも、みんなキラちゃんが気に入ったみたいねvv
私、あの子のあんな笑顔、始めて見たわ。
姿は私に似たけど、中身はあの人に似たみたいなのよね」



アスランの母であるレノアは、自分のことのようにアスランの変化を喜んだ。



「母様〜、アスランと一緒に上にいるねっ!!」

「あまりアスラン君を困らせたらダメよ、キラ?」



キラの元気な声と2人分の足音が聞こえたキラの母であるカリダは、微笑みながら娘に答えた。



「困らせないもん!!」



そんな母に対してキラは年相応の反応を示した。





この時、誰もが願っていた。



この平和な時がいつまでも続くことを・・・・・・。







しかし、運命とは残酷なものである。



そんな残酷な運命をこの時、誰にも分からなかった・・・・。








2007/04/01















ブログより、再録ですv
長い間、こちらに移動させずに放置させておりました;
種1話からでもよかったのですが・・・・中途半端なところからですね;
・・・ナタルさんの発言が一番印象的だったこともありますが;