【一緒だよ】







「アスラン、誕生日おめでとう!!」



幼なじみのキラがいきなり部屋に入って来て今日が自分の誕生日な事に気付く。



「え?あぁ!ありがとう、キラ。」



今の自分はたぶん凄く間抜けな顔になっているだろう。

たぶんキラにはわかっているだろうと思うけど・・・。



「アスラン・・・君、もしかして自分の誕生日忘れてた?」



キラはグッと俺の顔に近づいて来て。アメジストの瞳が俺を覗き込んでいる。



「・・・キラに言われるまで気が付かなかった。」



キラはぷっと笑らい始めそれが大声となる。



「そんなに笑わなくてもいいだろ!」


「普通、自分の誕生日忘れないでしょ?」


「別に…今までそんな気にしてなかったから忘れてただけだよ。
別に誕生日だからと言って父上も母上も一緒に居てくれるわけでもなかったし・・・」



淡々と話しているように見えて。

キラにはアスランが少し泣いているように見えるのは気のせいじゃない。

するとキラはアスランにそっと近付きその身体を抱きしめた。

アスランはいきなり抱きしめられて驚きはしたものの安心感が身体中を包み込んでいるようなそんな感じがする。

アスランもそっと抱きしめ返して。2人はしばらく互いを抱きしめ合った。

ちょうどキラの頭がある胸の辺りは少し濡れている。

でも。濡れているそこから何故か暖かさが生まれてくるようで。

何故かはわからないけど身体中が暖かかくなってきているみたいだ。



「キラ・・・泣いてるの・・・?」



優しい声で囁いてあげたらふるふると小さく頭を振ってくる。



「これは・・・僕の涙じゃないよ・・・これはアスランの涙だよ。アスランの代わりに僕が泣いてあげてるの!!」



そういうとまた泣きだしてきてアスランは唖然としてしまった。

まさかそんな事を言われるとは思わなくて。

キラにしか出来ない事だと思った。



「・・・なんでキラが俺の代わりに泣いてくれてるの?俺は・・・大丈夫だから。だから泣かないで、キラ。」


「っ…君は優し過ぎるよ…アスラン。」


「優しいのは俺じゃなくてキラの方だろ?」



アスランはキラの頭を撫でながらそう呟く。

お互いに言葉は無いけれど確かに心は通じ合っていて。

この沈黙が心地良く感じられた。

暫くするとアスランはキラの身体を離した。



「もう泣き止んだだろ?キラに涙は似合わないから早くいつも通り笑って?」



そんな小恥ずかしい事をよく言えるなぁと思っても、そんな風に言って貰えるのは初めてで顔に熱が集まってくるようになる。

でもアスランが言ってくれて凄く嬉しくて。

ニッコリいつもみたいに笑うとアスランも優しく笑ってくれた。



///・・・その顔は反則だよ・・・アスラン。」



アスランのその笑顔にまた惚れ直したみたいな感じになってしまったのはたぶん嘘じゃない。



「はっ・・・?キラは何言ってんの?」




(アスランってやっぱりどこか抜けてるよね・・・。)




「あのね・・・アスラン。今から僕の家に来ない?アスランの大好きなロールキャベツ作るから!!」



「楽しみにしてるよ。でも作るのは小母さんじゃないのか?」



そう言うとキラはプクーと頬を膨らませて。小さな時と変わってないその表情を見るとひどく安心する。



「僕もちゃんと作るもん!!」



アスランは小さく笑ってクスクス笑い出す。



「はいはい。」



アスランは小さな子供をあやすようにポンポンと頭を撫でる。

でもキラはそんな風にされるとどこか嬉しそうでニコニコしている。

そんなキラを見てアスランは可愛いなぁ〜vとか思いながら出掛ける準備をする。

といっても黒のジャケットを羽織っただけなのだが凄くかっこよく見える。



「じゃ、いこっか。キラ。」


「うん!」



2人は部屋を出てキラの家に向かった。

勿論お互いの手をしっかり握りながら。







********あとがき********

・・・・・短っΣ
それに駄文・・・・。

アスランの誕生日なのにこんなんでごめんよぉ〜!!!
でもおめでとう〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よろしければお持ち帰り下さい☆










乃亜様、−daybreak−






アスラン、誕生日企画第一弾v
寂しいのに淡々と話すアスラン・・・。
そんなアスランのために泣いてあげるキラ・・vv
素敵な小説、ありがとうございますv